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Last Update: 2018/05/01

研究のモチベーション

私達は日々膨大な情報を得ています.しかし,膨大な情報を得ていながら私達の脳活動は破綻することがありません.それは,脳が膨大な情報から重要な情報を的確に抽出しているからだと考えられます.私は,どのように膨大な情報から必要で重要な情報を捉えているのか,神経科学の立場と工学の立場から研究しています.

研究分野

下図は私が行っている研究の分野を表しています.計算神経科学を中心として,情報工学に関する研究を行ってきました.

研究分野

それぞれの研究業績については次の節を御覧ください.

神経科学

生物は時空間的に変化する刺激にさらされ,そこから意味のある特徴を捉えています.それでは,生物は,どのように神経細胞を用いて意味のある特徴を捉えているのでしょうか.それは難しい問題です.本研究室では主に弱電気魚の電気定位における刺激の時空間的特徴の抽出メカニズムの解明を目指して研究を行っています.その他に,聴覚や視覚などに関して研究を行ってきました.

機械刺激の処理

概要

皮膚に存在する機械刺激を神経活動に変換する機械受容器は複雑な応答をします.そのメカニズムは十分に分かっていません.本研究では,機械受容器の応答を再現する数理モデルを提案し,複数の時間特性の異なるイオンチャネルにより複雑な応答が生成されることを示しました.上図は機械受容器に与える刺激の大きさ,下図は再現した機械受容器の応答の様子です.

機械受容器の応答

業績

  • Kazuhisa Fujita (2014) A model of a rapidly-adapting mechanosensitive current generated by a dorsal root ganglion neuron. Mathematical Biosciences, 252C, 60-66.

弱電気魚の電気定位

概要

弱電気魚は自ら発した電気を用い周囲の状況を調べています.自ら発した電気は体表面上に分布する電気受容器でスパイクに変換され,それを脳で処理しています.その電気刺激から情報を抽出する神経メカニズムの解明を行なっています.図はコンピュータシミュレーションにより求めた弱電気魚が生成した電場の様子です.

電場

業績

  • Kazuhisa Fujita (2011) Modulations of electric organ discharge and representation of the modulations on electroreceptors. Lecture Notes in Computer Science 7064, 251-258.
  • Kazuhisa Fujita and Yoshiki Kashimori (2010) Modeling the electric image produced by objects with complex impedance in weakly electric fish. Biological Cybernetics 103, 105-118.
  • Kazuhisa Fujita, Yoshiki Kashimori and Takeshi Kambara (2007) Spatiotemporal burst coding for extracting features of spatiotemporally varying stimuli. Biological Cybernetics 97, 293-305.
  • Kazuhisa Fujita, Yoshiki Kashimori, Meihong Zheng and Takeshi Kambara (2006) A role of synchronicity of neural activity based on dynamic plasticity of synapses in encoding spatiotemporal features of electrosensory stimuli, Mathematical Biosciences 201, 113-124.
  • Kazuhisa Fujita and Yoshiki Kashimori (2006) Population coding of electrosensory stimulus in receptor network, Neurocomputing 69, 1206-1210.
  • Kazuhisa Fujita, Yoshiki Kashimori and Takeshi Kambara (2005) Dynamic population coding for detecting the distance and size of an object in electrolocation, Neurocomputing 65-66, 243-251.
  • Kazuhisa Fujita and Yoshiki Kashimori (2005) A neural model for encoding information of object distance and size in electrolocation, Proc. of 12th International Conference on Neural Information Processing/APNN 2005/11, 318-321.
  • Kazuhisa Fujita, Yoshiki Kashimori, Meihong Zheng and Takeshi Kambara (2004) A role of burst firings in encoding of spatiotemporally-varying stimulus, Biosystems 76, 21-31.

工学的研究

GPUを用いた脳のシミュレーションの高速化

概要

脳活動を理解するためには,生物学的な実験だけではなくコンピュータシミュレーションが有効です. しかし,大規模な脳のシミュレーションは膨大な量の計算をする必要があります. 本研究ではGPUによる脳のシミュレーションの高速化に挑戦しています. その結果市販のグラフィックボードを用いてもCPUより高速に計算できることを明らかにしました.

業績

  • Kazuhisa Fujita, Shun Okuno, and Yoshiki Kashimori (in press) Evaluation of the computational efficacy in GPU-accelerated simulations of spiking neurons, Computing.
  • Shun Okuno, Kazuhisa Fujita, and Yoshiki Kashimori (2017) Computational efficacy of GPGPU-accelerated simulation for various neuron models. Lecture Notes in Computer Science, 10638, 802-809.
  • Kazuhisa Fujita and Yoshiki Kashimori (2016) GPU-Accelerated Simulations of an Electric Stimulus and Neural Activities in Electrolocation. Lecture Notes in Computer Science, 9950, 213-220.

モデルベースのクラスタリング手法の開発

概要

コンピュータ・インターネットの発展とともに,データの量・次元・種類が膨大になっています.そこで問題になるのは膨大なデータからどのように特徴を取り出すかです. 本研究では,円柱座標で表されるデータに特化した確率モデルベースのクラスタリング手法を開発しました. 開発した手法を画像の減色に適用したところ,色相に対応した色に分けられることを確認しました.

減色

業績

  • Kazuhisa Fujita (2017) A clustering method for data in cylindrical coordinates. Mathematical Problems in Engineering, 2017, Article ID 3696850, 1-11.